政治経済学部
経済学科
DEPARTMENT OF ECONOMICS
経済学科では、さまざまな社会問題を 「経済学」という視点からひもといていく面白さを教えています。
「経済理論」「経済政策」「実証経済」の3つのアプローチから経済学を体系的に学び、身に付けていきます。
社会を動かす「経済」の仕組みを知ることは、キャリア形成はもちろん、現代を自分らしく生きるための力強い武器になるはずです。
社会問題を経済学でひもとく
学びのポイント
学びのポイント
社会の動きを理論で読み解く力を養う
データで経済と社会を分析する力を身に付ける
自分の政策を提案する力を養う
経済学科の学びの分野
経済理論分野
経済はどうやって動いているのか?
商品やサービスがどのように生産され、どのように消費されていくのかという経済の仕組みを学びます。市場経済の効率 性を理解した上で、どうして「市場の失敗」 が起こるのかを学びます。
経済政策分野
よりよい社会を目指して
経済成長、環境、地域、社会保障など、社会が直面するさまざまな経済問題を解 決するための政策を学びます。具体的な 事例研究などを使いながら、自分なりの考えを構築する力を身に付け、政策を的確に提言できる力を養います。
実証経済分野
データで分析する力
インターネットと ICT 技術の進歩で経済分 析は新しい時代を迎えました。実際に起こるさまざまな経済現象を、数量・歴史・制 度面から実証的に分析することで、経済理論の有効性と限界を学び、卒業後も活用できる確かな力を身に付けていきます。
授業紹介
経済学科の専門科目は、経済学の基本を学び、それに基づいて経済問題の歴史や事例を学ぶことで、論理的な思考を持って経済を見つめる姿勢を養っていきます。1・2 年次では文系・理系を超えた総合力を育成する「現代文明論」「現代教養科目」と習熟度に合わせた「英語科目」を専門科目と並行して修得していきます。
ミクロ経済学入門
消費者や生産者といった個々の経済主体がさまざまな市場構造の下でどのような経済行動を選択し、彼らの行動が市場メカニズムによってどのように調整され、どのような個別的、集団的成果が生み出されるのかを理解します。
金融論A・B
資金のやり取りが生じる理由、金融資産の種類、資金経路の流れ、資金の貸し手や借り手はどのように行動するのか、資金の貸し借りの条件―利子率―はどんな機能を持ち、どのように決定されるのか、といったことを基礎的かつ体系的に学びます。
開発経済学A・B
発展途上国の経済成長メカニズムおよび所得格差や環境破壊など、成長とともに生ずるさまざまな経済現象を分析・検討していきます。また、経済学の基礎理論に基づく経済分析手法を用いて途上国の経済構造や成長過程を考察する応用力を磨きます。
労働経済学A・B
なぜ賃金は、職業や産業、企業規模で異なるのか。教育や訓練は雇用される機会や収入にどのように影響を与えているのか。失業とはどんな状態なのか。各国の失業率はなぜ異なるのか。身の回りの問題を通して、経済学的に理解する力を身に付けます。
環境経済学A・B
人類が直面する資源の枯渇やそれに先立つ環境劣化といった状況で、限られた資源や環境は先進工業国と発展途上国の間でどのように配分されるべきなのか、その際に、市場経済システムによる資源配分のルールは機能するのかといった問題を考えます。
カリキュラム
経済学の基礎固め
湘南キャンパス
「入門ゼミナール A・B」は少人数クラスで意見の発表や討論などを行い、 高校までとは違う大学での勉強の仕方や経済学科目の体系的履修の仕方 を理解します。また「マクロ経済学入門」「ミクロ経済学入門」では経済 学の基礎理論を学びます。
経済学の応用
湘南キャンパス
1 年次で学んだ初級レベルの経済学の基礎理論をベースに、中級レベルの 理論や応用科目を学びます。2 年次以降は、必修科目が非常に少なくなる ため「今後、自分が何を学んでいくのか」を考えながら履修することが求 められます。
ゼミナール開始
品川キャンパス
少人数制のゼミナールがスタート。教員の指導のもと、学術書を読破し、 仲間と議論を重ねて自分の興味・関心のある専門分野をより深く勉強し ていきます。また、後期からは、キャリア担当と連携し、就職活動の準 備を始めます。
大学生活の集大成
品川キャンパス
選択必修科目「経済学演習 2A・2B」では 3 年次までに学んできた経済学 の理論、手法、知識を確認しながら関心の高いテーマをより深く掘り下 げ、「卒業研究」で独自の視点で経済現象を考察した卒業論文を作成し、 ゼミごとに発表します。
科目紹介
01 マクロ経済学入門
● 国民経済計算
● 財政金融政策
● 国内総生産(GDP)
経済活動の分析に必要な
基礎知識を身に付ける
生産や所得の状態、景気の状態、経済成長 の状態、インフレーションの状態など、一つ の国における全般的な経済状態がどのよう に決まるのか、またこの決定において政府 が経済政策を通じてどのような役割を果た すのかを理解していきます。
04 ゲーム理論A・B
● 戦略的行動
● 囚人のジレンマ
● ナッシュ均衡
社会の相互依存関係を
ひもといてみよう
現代の高度な相互依存社会においては一人ひとりが良かれと思い行動したとしても思うような結果にならないことがあります。ゲーム理論ではこうした相手がいる状況 を戦路的に分析できるチカラを身に付けます。
02 ミクロ経済学入門
● 市場メカニズム
● 消費者行動
● 生産者行動
経済行動の最小単位である
市場の仕組みの基礎を学ぶ
消費者や生産者といった個々の経済主体が さまざまな市場構造の下でどのような経済 行動を選択し、彼らの行動が市場メカニズ ムによってどのように調整され、どのよう な個別的、集団的成果が生み出されるのか を理解します。
05 公共経済学A・B
● 市場の失敗
● 政府の役割
● 公共政策
効率性と公平性の
バランスをとる方法を学ぶ
市場メカニズムが上手く機能しないことにより発生する社会問題について、政府の役割や解決策を考える際に効率性と公平性のバランスを重視する方法を理解します。また、 グループでの演習を通して、社会問題が発生し解決されるまでの過程を体験します。
03 開発経済学A・B
● 貧困
● 所得格差
● 持続的な開発
経済分析手法を用いて
発展途上国の問題を考える
発展途上国の経済成長メカニズムおよび所 得格差や環境破壊など、成長とともに生ず るさまざまな経済現象を分析・検討してい きます。また、経済学の基礎理論に基づく 経済分析手法を用いて途上国の経済構造や 成長過程を考察する応用力を磨きます。
06 環境経済学A・B
● 持続可能性
● 環境政策
● 費用便益分析
環境問題を理解し解決策を
経済学の視点で探る
人類が直面する資源の枯渇やそれに先立つ 環境劣化といった状況下で、限られた資源 や環境は先進工業国と発展途上国の間でど のように配分されるべきなのか、その際に、 市場経済システムによる資源配分のルール は機能するのかといった問題を考えます。
ゼミ紹介
経済学の視点から社会問題を研究 栗原ゼミ
本ゼミは 3・4 年次合同で実施しており、「公共経済学」に関する卒業研究を行います。社会問題にどのように立ち向かえば良いのか、経済学の視点からデータを基に解決策を模索しています。例えば、大学生のワクチン接種の意思決定はどのように行われているのか、所得格差はどのように測るべきか、児童虐待やヤングケアラーの発生要因は何か、など医療・教育・労働・貧困などの社会問題について研究しています。
研究の他に、ディベートやディスカッション、実験 などを演習形式で行い、学生が主体的に取り組んでいます。イベントとしては、夏合宿や映画鑑賞会の実施、音楽祭への参加などゼミ生の意向に合わせて企画しています。進路については、公務員を目指す学生や、ベンチャー企業に就職する学生、他大学の大学院に進学する学生など多種多様で、個性の強いゼミ生がそろっています。
ディスカッションや統計分析の実習、プレゼンテーションを行うことで、課題・テーマに対して理解を深めます。
自分の興味に沿って分析する 若野ゼミ
本ゼミでは、3年次から学生が自らの興味に沿って自主的に研究したいテーマを選びます。アニメに興味を持っている学生は、外国人アニメーターが日本のアニメ製作に加わることによって興行収入はどのように変化するかを分析しました。鉄道に興味を持っている学生は、新幹線が開通することによって観光客がどのように変化するかを調べ、また競合する移動手段としての航空会社の利用客数には減少したのか、を分析しています。ラグビー部に所属している学生は、ラグビー選手がプロになるかどうかの確率が出身の都道府県によって異なるかどうか、を分析しています。いずれの分析でも共通していることは、学生が自分の興味を持ったトピックについて「経済学的な仮説」を立てることができる力です。また、自ら立てた仮説に対して、必要なデータを収集し、適切な分析手法で分析を行う力を養っています。
教科書の内容を復習することもあります。理解するときも、少人数制を生かして対話しながら教科書の基礎的な内容を確認します。
ゼミでは、学生の分析結果を進捗として報告し他の学生の意見を聞きます。